人事の現場でAIに挑んだ理由
【木村情報技術株式会社 管理本部 人事部 田中 勝憲(水曜17時半コース)】
私は管理本部人事部で採用を担当している田中です。新卒・中途採用の企画から面接まで幅広く経験する中で、生成AIを組織開発や人材分析に活かしたいと考え、本講座に参加しました。佐賀県におけるIT人材確保という地域課題も視野に入れ、業務実装を目的に学び、AIを実務で使う視点を得たことが最大の成果です。
採用業務の広がりと次の一手

採用担当として、採用イベント企画、会社紹介資料の作成、インターン設計、面談・面接、内定者への動機づけまで一通りを経験してきました。一方で、業務は属人化しやすく、振り返りや改善が個人の経験に依存している点に課題を感じていました。今後は生成AIを用いて、ハイパフォーマー分析やマインドセット整理、組織開発を体系的に進めたいと考えていました。また、生成AIコンテストにも参加し、ロールモデルとして社内に事例を持ち帰ることで、佐賀県のIT人材活性化にも貢献したいという思いがあり、受講を決めました。
生成AIが事業になる現実
講座で特に印象に残ったのは、生成AIを活用したビジネスモデルがすでに世の中で成立しているという事実でした。単なる効率化ツールではなく、価値創出の中核として使われている事例を知り、視点が大きく変わりました。これまで私は「試してみるもの」という距離感でAIを見ていましたが、「業務設計に組み込む前提」で考える必要性を強く認識しました。AIに何を任せ、人が何を判断するのかを分解して考えることで、採用業務そのものを再設計できる可能性に気づけた点が大きな学びでした。
小さく試す採用AI活用

講座後、私は採用業務の一部で生成AIを試しました。具体的には、掲載媒体、人材紹介、採用イベントそれぞれのポジショニング整理にAIを使い、比較表の叩きを短時間で作成しました。また、社員同士の称賛を可視化するKUDOカード導入案や、採用イベント用ノベルティの方向性検討にも活用しました。一方で、面接官教育用チャットボットの作成にも挑戦しましたが、質問精度や回答の一貫性が出ず、実用には至りませんでした。プロンプト設計の難しさを体感し、改善余地を明確にできた点は収穫でした。
相談相手が増えた変化

最も大きな変化は、生成AIが業務上の相談相手になったことです。企画の壁打ちや資料構成の整理をAIに任せることで、思考スピードが明らかに上がりました。結果として作業時間が短縮され、検討の質も安定しました。周囲のメンバーも生成AIを使い始めており、「新しいツールを試す」ことが自然な文化になりつつあります。一方で、日々の業務に追われ、継続的に使えなくなる場面もあり、仕組みとして定着させる必要性を感じています。
実務に根づかせる次の一歩
今後は、面接後の評定表作成や、面接・ミーティングの自動文字起こしツールを活用し、振り返りを高速化していきたいと考えています。生成AIは万能ではありませんが、確実に業務を後押ししてくれる存在です。私自身もまだ十分に使いこなせていませんが、同じ課題を持つ方にとって、一歩踏み出す価値は間違いなくあります。
